Lepidopterite Blog

2023/02/13 20:32

こんにちは、Lepidopteriteです。


先日、とあるお客様からTwitterのDMでご連絡をいただきました。
「ネックレスのチェーンが青く変色しちゃったんですが……」とのことで、
写真を確認してみると、

おっ……

(お客様より写真の掲載許可を得ております)
おおお……!?

これは……いわゆる「緑青」というやつ……!
よく10円玉が緑になってる、アレですね。
当店の販売している作品の金古美部分は、すべて真鍮製(=銅に亜鉛とか混ぜた合金)なので、
銅が酸化してできる緑青が発生することがあります。

よく「青さびは毒」と聞くこともあるかと思いますが
(私が子供の頃も、青さびは口に入れるなみたいなことを言われた覚えがあります)
実は昭和の終わりごろに実験がなされ、無害であることが証明されて
厚生省(当時)から認定が出て、ニュースにもなったそうです(へえ~知らなかった……)

緑青は他の金属のサビと一緒で、水気や汗などの影響を受けて発生しやすくなります。
つまり、このネックレスはそれだけたくさん使って頂けたということ……!?
なんとうれしく、ありがたきこと……おお……と、私は感涙にむせぶのでした。

ではなくてですね、
このままだと、いくら無害とはいえ、白いお洋服とかが緑青で汚れちゃったりすると困りますし、
見た目の問題もありますしで、これをきれいにしなくてはなりません。
当店は基本的に、こういったメンテナンスやちょっとしたパーツの破損の修理くらいは
ご連絡いただければ、無料でやっております(片道分の送料だけ負担いただきますが……)ので
お客様に早速このネックレスをお送りいただきました。

届いた実物を見てみると、引き輪やアジャスター、本体のチェーンだけでなく
一部ビーズの通ったピンや、レジンパーツの付いたピンなどにも
緑青が付着しておりました。
チェーンはサビている部分を全取っ替えし、引き輪やピンといった細かいパーツも新品に交換し……
レジンの付いたパーツは一旦取り外して、重曹に水を加えてペースト状にしたもので、金属部分を磨きました。


これがお直し後の写真です。(ちょっとボケてる……)
レジンの蝶の部分も、ずっと使っていると、どうしても皮脂などの汚れが付着し
段々曇ってきてしまうので、そちらも水で濡らして固く絞ったクッキングペーパーで優しくふき取った後
乾いたマイクロファイバーのクロスで磨きつつ(私はこのレジンをクロスで磨く作業が大変好きです)、完全に水気を取ります。
そうするともう、新品のごとくぴっかぴかです。わーい!
(……実は私の自前のブレスレットも若干緑青がわいているんですが、これはこれで、なんかいい……と思って放置しています。もうそこは好みですね……)

そしてこのネックレスは再び梱包され、お客様のもとへ帰って行ったのでありました。
(返送時はサイズが許す限りはクリックポストで送っています)
あ、もしかして独り立ちした子が実家に帰省して、その後また遠方に帰って行くときの親の気持ちって、こんな感じなんでしょうか(それはどうだろう……)

……ということが、先日ありました。
皆様のご購入いただいたアクセサリーは、いかがでしょう?緑青がわいてイヤだな……ってなったりしてはいませんか?
そんなときは先述の通り、重曹を水で溶いたペーストを綿棒か何かにつけて磨いてあげるか、
(傷がついて曇っちゃうかもしれないので、レジン部分には付かないように気を付けてくださいね)
難しそうならわたしにご一報いただければ、今回のように新品のパーツに交換いたしますので、
どうぞお気軽に……

作品をご購入いただいた際に、「何かあればお気軽にご連絡ください」ということで連絡先はお渡ししていると思いますが、
それでもやっぱりこういう連絡ってちょっと……勇気というか、
コンビニに立ち寄るみたいに気軽にヒョイっとできるものではないじゃないですか……(いや私だけか……??)
なので、もしも当店の作品をお持ちの方で、
「そういえばこれ金具が壊れちゃって使ってないんだよなぁ」とか
「これちょっと長さとか直してくれないかな~」みたいな……
そういったお心当たりのある方は、是非ご連絡いただければ……と思います。
(※内容によってはお受けできない場合や、お直しの代金を頂く場合、スケジュール的に難しくて次の機会でよければ……といったこともあるかもしれませんので、ご了承ください)

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